お見合いの達人
「慎吾さんにはお話ししたんですか?」

「いいえ」

「どうして?」

「全部あの人の招いた事だもの。

これくらいの意地悪してもよくない?

だ.か.ら

あなたも主人に言ったら駄目よ?」

う、怖い、可愛らしい顔なのに凄みが半端ないです。



『これを手掛かりに探しなさいね。

あ、くれぐれも、慎吾さんに連絡なんか取ったりしないで?

絶対よ?』



会社のホームページのアドレスを書かれたメモを手渡して帰っていった。


さすがお嬢様、上からだけど、

彼女は彼女なりに藤吾のことを心配しているのだ。


ちょっと怖い一面もあるけど……

あれは完全に尻に敷かれてるな慎吾さん……

いやいや母は強しとも言うのか?


ともあれ、

全くなかった情報が意外な所から得ることができた。


「さてと、とにかく仕事かたづけなくちゃ。」


残されたメモを握りしめ、会議室を後にした。

< 173 / 198 >

この作品をシェア

pagetop