お見合いの達人

アドレスの会社に、藤吾はいなかった。


しかし、足どりをつかむことはできた。

ちゃんと、ポツポツ証拠を残している。


まるで、童話の青いとりで光る石を落としていくみたい……


なんとなく、分かってきた。


これは藤吾が仕組んだことなのだということ。


冷却期間をもうけて、

後に、満里奈さんから情報が伝わるように仕向けたのだろう。

受けて立つわ。

とはいえ、そう簡単に捜索隊にはなれなくて、

休暇願いがなかなか受理されずじれている。

「却下です」

「有給はまだあると思うんですけど」

「今のうちの課の状態で春日に休まれたら首が回らなくなる。

GWが終わるまでは休み返上で働いてもらうくらいな感じなんだ。

君だって分かってるだろ?」


< 174 / 198 >

この作品をシェア

pagetop