お見合いの達人
アドレスの会社に、藤吾はいなかった。
しかし、足どりをつかむことはできた。
ちゃんと、ポツポツ証拠を残している。
まるで、童話の青いとりで光る石を落としていくみたい……
なんとなく、分かってきた。
これは藤吾が仕組んだことなのだということ。
冷却期間をもうけて、
後に、満里奈さんから情報が伝わるように仕向けたのだろう。
受けて立つわ。
とはいえ、そう簡単に捜索隊にはなれなくて、
休暇願いがなかなか受理されずじれている。
「却下です」
「有給はまだあると思うんですけど」
「今のうちの課の状態で春日に休まれたら首が回らなくなる。
GWが終わるまでは休み返上で働いてもらうくらいな感じなんだ。
君だって分かってるだろ?」