お見合いの達人
そう、カフェの方のヘルプ要員が必要だからだ。

なぜかと言えば、例の彼女、浜木薫子が休暇をとったからだ。

オープンして初めてのGWに店長が休みをとるとはあり得ない事をしでかした。

しかし、現場では彼女が休みを取るのは誰も反対出来ないのだ、いや、しない。むしろ大歓迎

休むのを歓迎されるのは彼女ぐらいのものだ。

そしてそれで煽りを食らうのは本部の主任である私なのだ。

何せ彼女と中途採用で入ったばかりの川名さんの二人が私の部下で、

通常は私の業務補佐をしてもらえるはずなのに、

ちょくちょく浜木さんが休むせいで殆どカフェの方入り浸り状態だ。

お陰で二人分の仕事を私はこなしている。

もう一人人を回してもらうように交渉はしてもらっているが、無理らしい。

浜木さんはどうやら例のサギーとうまく交際が続いているらしい。

サギーは年貢を納めて名前返上?


早く彼女が叫んでいた寿退職とやらをと望んでしまう。

そうしたら社も一人採用してくれるのに……



はっ 、私の寿退職……どこにいってしまったんだっけ?

誰と?


藤吾とトシローの顔がいっぺんに浮かんで、

未だにどちらかに決められない自分にため息がでる。


当分、いやたぶん寿はないな。

当面の問題は川名さんが音を上げずに続けてくれるかだ。

今朝も彼女に言われた、


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