お見合いの達人
こんな中途半端な気持ちでここに来たから、
こんなトラブルに巻き込まれたんじゃないの？

私は……そう、

もう一度会いたかっただけなんだ。

会って言いたいことがあるとか、そんな大げさなものじゃない。


再びアナウンスが入った。

天候が回復し、着陸準備が整ったとかなんとか？


結局千歳空港に着陸できることになったらしい。


「お騒がせしました」

とアナウンスの最後の言葉に、

「お騒がせ過ぎるだろう」

と、小さく突っ込む。


ともあれ、無事北海道に着く事ができる。


この騒動のおかげで心はすっかり固まった。


思い切ってこっちまで来てよかった。

私は自分の未来に向かって歩き出す決心をすることができたのだから。

















< 180 / 198 >
表紙・目次

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop