お見合いの達人
……あの日
空港で降りた私は、
偶然にも、足止めで空港でお客様に対応していたあいつを見つけてしまった。
もし天候のせいで私が東京に戻ってしまっていたら、
会えなかった。
ツアー客に声を掛けながら、
振替の手続きをしているようだった。
てきぱきと笑顔で応対している姿は、
私の知らない藤吾だった。
待っているんじゃないかとか、
探して欲しがってるんじゃないかとか、
私が思い込んで彼の可能性を見くびっていたんだ。
一体私は何をしに此処まで来たのだろうか?
藤吾の後姿がいなくなっても私はそこを動くことはできなかった。
どのくらいそのままいたかはわからない、
彼がもし私に傍にいてほしいと言われたところで、
私は彼のそばにいることを選ぶことは無い。
それはこの空港に降りる前から決めていた事。
ただ、ここまで来たのは、それを自分の中で納得させるための距離だった。
あはは
と、笑ってしまった。
なんだかんだ言って固執していたのは依存してたのは彼では無く私だったんだな。
「そうかあ」
そのことが胸にストンと落ちると、
これですべて終わったのだと納得できた。
彼の姿が去った方向に小さく「バイバイ藤吾」とつぶやいた。
このまま東京に戻ろう
もう二度と彼に会うことは無い。
そう心に決めてチケットカウンターに向かった。
空港で降りた私は、
偶然にも、足止めで空港でお客様に対応していたあいつを見つけてしまった。
もし天候のせいで私が東京に戻ってしまっていたら、
会えなかった。
ツアー客に声を掛けながら、
振替の手続きをしているようだった。
てきぱきと笑顔で応対している姿は、
私の知らない藤吾だった。
待っているんじゃないかとか、
探して欲しがってるんじゃないかとか、
私が思い込んで彼の可能性を見くびっていたんだ。
一体私は何をしに此処まで来たのだろうか?
藤吾の後姿がいなくなっても私はそこを動くことはできなかった。
どのくらいそのままいたかはわからない、
彼がもし私に傍にいてほしいと言われたところで、
私は彼のそばにいることを選ぶことは無い。
それはこの空港に降りる前から決めていた事。
ただ、ここまで来たのは、それを自分の中で納得させるための距離だった。
あはは
と、笑ってしまった。
なんだかんだ言って固執していたのは依存してたのは彼では無く私だったんだな。
「そうかあ」
そのことが胸にストンと落ちると、
これですべて終わったのだと納得できた。
彼の姿が去った方向に小さく「バイバイ藤吾」とつぶやいた。
このまま東京に戻ろう
もう二度と彼に会うことは無い。
そう心に決めてチケットカウンターに向かった。