お見合いの達人
なんだかな？

あんなにぐるぐる考えてじたばたしたけど、

落ちつとこに落ち着いたのかな？

「どうした？」

「馬鹿だなあって思って」


「誰が？」

「トシロー」

「そうだな、俺相当嫁馬鹿だからな」

「まだ嫁じゃない」

「いいのいいのフライングゲットだから」

「あんたホントに予備校講師だったの？」

「事実は小説より奇なりってな」

「意味分かんない」


こんなくだらないやり取りも、
なんか心地いい。

けど、なんかさっきから微妙に噛みあわないような気もするし、

トシローがいつもより挙動不審な気がする。


「トシローどうした？」

「や、あのさ、ええと、なあ奈留、これからおやっさんのとこ行かない？

なんか今日大安吉日なんだってさ」


「ん？」


「今日入籍しようよ」

「は？」

「実は一応二人を媒酌人てことで、

簡単に入籍式しようって、親父とお袋も待ってんだ」


「え～～～～～っ？」





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