お見合いの達人
睡蓮
蓮沼栄輝36才。

山原音楽スクール東京総括責任者

山原楽器社長が父親であり、いわゆる御曹司のわけだが、

実は、将来は群馬県にある寺の住職に決まっている。

と、言うのも
父は永山寺の3男で、
跡をついだ長男、住職には子がなく、
近くの寺を守る次男の叔父にも娘しかおらず、

全く期待せず婿養子に出された父の子である私に跡取りの白羽の矢がたった訳だ。

会社は別に世襲制でもないし、

私が継がなくても成り立つということで勝手に親戚で相談して 

一同同義ということでてらの跡継ぎに決められてしまったのだ。


まあ、特にやりたいこともなかったし、断ろうとも思わなかった。
時分が必要とされてるならそれでいいと思っていたし。

大学もそっち方面にほぼ優待みたいな形で京都の私大に行き僧侶になるべく宗教について学んだ。
そして私は、

そこで、とんでもなく非凡な自分の性癖を知る音となった。




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