お見合いの達人

3.片割れの苦悩

「だから~兄貴には俺のことなんか関係なく

 自分のこと考えてほしいわけだ。

 俺のこととかもう、
 
 放っておいてほしいわけよ。

 な、分かる?」


「あ~はいはい。」


生中一杯ぐらいで、何この酔っ払い。

私は辟易とした。


私は双子の片割れ(藤吾)と居酒屋にいる。



まあ、今日はお見合いで、

何の因果か双子さんが相手で、

お兄さんのとお見合いするはずが、

出だしは二人の気に入った方でとか、

わけの分かんない展開で、

結局お兄さんと一日お付き合いして、

別れた後、

何故か弟に捕まってしまった。


なんだか、色々たまってるらしいんだけど、

全くなんて日だろう。


「あのね?

 そろそろ終電だし、

 帰りたいんだけどいいかなあ?」


「ああ、そっか、あんたこっちの人じゃないんだったっけ?

 あ、じゃあさあ送る駅まで、

 一応女だし、心配だからさ!」


「ああ、いいからいから」


「うっせ~の。送らせるのこういうときは、

 女はか弱いぐらいが可愛いいんだから、少しは演じろっつーのあんたも。」


ああ、もううざったいよっぱらいだなあ、


「わかったわかった、送っていただきますありがとう!」


「ふふ~んそうそう素直になんなよね~」


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