お見合いの達人

1.豆腐屋の野球バカ男

「---ってわけなのよ。」

行きつけの定食屋で、アジフライ定食食べながら、

伯母さんとの電話の内容を、

大将相手にぐだぐだと話す。


「そりゃあ、奈留ちゃん。しょがないよ。

 伯母さんだってさんざ紹介してくれるって言ってたんだろ?

 それを無にしといて、いまさら何だって話だろ?」


「大将!それは、わかってるけど、

 40、40って連呼しなくたっていいと思わない?

 傷つくでしょ?

 それに、まだ!40じゃないし。」


「はは、そりゃあそうだなあ、

 今の奈留ちゃんにとってそれこそ弱点を、

 ぐりぐりと針より太い釘で突かれてるようだもんな。」

「そうよ弱点をぐりぐりと、

 って、

 もうっ大将っ!」

「ははは、悪い悪い。

 おお、そうだ豆腐屋の長男なんてどうだ?

 野球のコーチなんかしてスポーツマンだぞ?

 昔は高校野球で近所じゃあちょっとした有名人だったぞ?」

スポーツマンて、今死語じゃない?

なんて心で突っ込みつつ、

すっかり乗り気になってしまったあたし。

「やだ、それいいっ!紹介してっ

 何歳?」

「そうだなあ、おい豆腐屋のトシボーっていくつだったか?」
  



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