お見合いの達人
*****


カチャリと鍵を開ける。

玄関のカギを探ってやっとの思いでスイッチを押したけど、

「あれ?」

一瞬光ったと思ったらバッといった感じでそれきりだった。

「あれ、あれ?」

何度もカチカチとオンオフを繰り返してももう二度と反応しなかった。

あちゃー、電球切れたな。

「ほら」


携帯をライト代わりにして

足元を照らしてくれる彼に、

「ありがと」

とりあえず礼を言う。


一歩入ったところにあるライトをつけて

ホッと一息。

ああ、電球買ってつけなきゃか面倒だなあ。

「俺買ってこようか?

 そこのコンビニで買えんだろ?」

「え?」


実際、それは非常に助かる申し出、

けど、そうゆう問題じゃないでしょと、

ぐっとこらえる。


「なんであんたがそんなことするのよ」


「そりゃあ、あれでしょ、

 これからお世話になるんだし、

 それくらいはね」


「そう?じゃあ悪いけど、

 ---って何言ってんの?

 意味分かんないんだけど?」

そいつはふふふっ

っと、不敵な笑いを浮かべて、

「これから俺暫くあんたんとこに住むから。」


はあ?


「何言ってんのよ!」






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