お見合いの達人
..*..*...*.*..

「なっ……」


となりにある整った男の顔。


緒話手と来て布団をはがすと、

昨日の服装のままの私と、

貸してあげた私のスェットをぴちぴちに来た男。

「またか」

思わずこぼれた言葉。

けれど、

気持ち良さそうに寝息を立てて、

まだあどけない子どもの様な彼の寝顔に、

たたき起そうとする気持ちがそがれてしまった。


「こいつ実は前世犬とか猫なんじゃないの?」


そっと伸ばした手に短い彼の髪が絡まりほどけていく。


はっ、駄目駄目

可愛いと思ってしまう自分の気持ちを振り払うように立ちあがった。



「お弁当作らなきゃ」

キッチンに立つとトースターにパンをセットし冷蔵庫を開いた。


ジュウジュウと音を立てるフライパンを

見つめながら、

「とにかくあいつを追い出さなくちゃ。」

そう呟いた時だった。

「それ、弁当?超うまそうじゃん、

 俺にも作ってよ。」


「はあ?あんた自分の立場わかってるの?」


「恋人でしょ?

 フィアンセとかの方が良かった?」


「ふざけないでよ、居候よ!それもきのうの夜限りの!って、

 そうだ、なんであなた私のベッドにいたのよ!

 鍵かかってたでしょ?」


「鍵あんなの簡単に開くし。

 だって寒いから、冷たいこと言うなよ、

 何もしてないだろ?」

「そういう問題じゃないでしょ?」

鍵開けるとかモラル感もないし……

呆れた気持ちで振り返ると

『シメタ』とばかりに後ろから抱きしめられた。






















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