お見合いの達人
「ぎゃっ」

小さく呻いたのは、

木原えーと、あれ?名前何だっけ?

と、ともかく弟の方は、

私に急所を蹴られてなおも

へらへらして懲りる様子はない。


いらっとして、触れてきた手を振り払った。

「触るな!」


「硬いこというなよ。」


「あんたは、立場をわかんないんでしょうけど、

これだけはハッキリしてるからね。


あんたと私はこれまでもこれからも、

何の関係も生まれないから。」


「つれねーな」


嬉しそうにこんなやり取りを楽しんでいると言った様子が更にいらいらさせる。


相変わらずへらへら笑って掴めない男だ。


はあっ


大きなため息

誰か言ってたっけ、ため息つくと幸せが逃げるって、


逃げる幸せなんて持ち合わせてない女はどうすりゃいいのよ。






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