お見合いの達人
「むかつかれてもね~」

本当に、仕事やる気ない人だとは思っていたけど、

ここまでとは、

『……もん』とか『……ちゃおうかな』とか

幾つのつもりなのあの人

かなりこじらせてない?



会社もお荷物を切り捨てるための出向かな。


あの人確か縁故入社だったから、

自分から退職するようにプレッシャーかけてるんじゃ?


ちょっと気の毒ね。


え?

ちょっと待って、

それってもしかして私にも当てはまるんじゃ?


もし浜木さんがやめて、

カフェの方が空いたら、

その後また私をってことになるんじゃないの?



……嫌になって私もやめるように仕向けられてる?


「まさかね。」

鏡を見ながらつぶやいた。


「あ、ヤダ、白髪でてる。」

だんだん鏡を見るのが怖くなる。


しわを発見したりシミ発見したり、

私じゃないじぶんが出来上がってくるような気がする。


髪をかき分けて白くなってきた髪を抜き取る。


プツンっ

「いたぁっ」

思わず声が出た。


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