お見合いの達人
気を取り直して、化粧をして、

木原兄（あに）に会うためにランチに向かう。


なんか気分が重い。


駅前にあるミスどーなっつ

試験期間中なのだろうか、

ＪＫが大半の席を埋めていた。


あらら気の毒に。


入り口の隅の席に居心地悪そうに座っている木原さんを発見した。



「お待たせしました。」


私が行くとホッとした様子で、

立ち上がって、


「どうも」

と挨拶をした。



ああ、やっぱイケメンだなあ。


弟の顔とパーツは似てるのに、

配置が日本人離れしてる王子顔だな。


この前会った時よりずっとすっきりした顔している気がするのは気のせいかな。

何か吹っ切れたのかな。例の社長の娘と何かあった？


いけないいけない、人間観察がくせになってる。

そして勝手な妄想することも。



「あの、良かったら落ち着いて話せる店に移動しませんか？」


私もぺちゃくちゃと今日のテストや、彼氏の話を話しこむＪＫの横で

まともな話もできないだろうことは気がついたので、

その案に同意した。



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