お見合いの達人
「だめですか?」


「あ、いえ、ダメとかではないんですが。」


「よかった。実を言うとものすごい腹減ってて、

 この軽食なんかじゃ、

 とても収まりそうになくて。


 どうしてもって頼まれてここに参加したんですけど、

 なんて言うかいる場所なくて、

 もう出ませんか?」


「え?今ですか?」

「あ、あなたは違うんですか?

 
 とても居心地悪そうに映ったんですけど?」






確かに。

このままここにいても、

どうなるものでもない。


「それにもう戦利品はゲットしたでしょ?」


奏さんは商品券を指差して、ウインクした。



「確かに。そうですね。これでぱあっとやっちゃいましょう」


あはははっ


わたしたちは顔を見合せて笑った。











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