お見合いの達人
REDROOMと書かれた表札の部屋に入ると、

まさに赤い部屋だった。

赤い壁に赤いソファー赤いチェスト。

全てが赤で塗り込められた部屋。

カラオケ装置も付いていて、

なんだちょっと変わったカラオケか?

と、ちょっと拍子抜けした。


「カラオケですか?」


私が安堵してつぶやくと、

蓮沼さんはふっと笑うと、

「表向きはね」

と意味ありそうな顔で笑うと壁のスイッチを押した。

ギリギリギリ……音を立てながら壁が自動的に出てくるとそこには怪しげな装置が現れた。

「これは……?」

ドラマか何かで見たことがあるかも、これはもしかして……

は瀬沼さんの方を振り返ると、

彼は嬉しそうに黒い衣装を差し出した。

「これ着て見てよ。絶対似合うから」




初めて見たよ実物を!

ボンデージ?

っていうんだっけ?

黒いエナメルの艶艶な生地でできた水着の様な服。

「嫌ですよ!こんなの着れません!大体意味が判りません

 なんなんですか一体!」

「え?知らない?

 SMルームだよ。

 TVとか見ないの?

 興味あるでしょ?

 君は絶対Sでしょ?」







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