お見合いの達人
「じゃあ、今度の木曜な!

2時に迎えにくるからな」

「わかった」

張り切って帰って行く姿を見送って、

悪くない気分だった。


「罪な女ですね♪店長」


むふふっと、含み笑いしながら、

私の顔を覗きこんでくるミーコちゃんと、

パートの阿部さんまでニヤニヤしている……


「違うから、しつこいから、

営業に差し支えるからなのよ」


「ハイハイ、モテる女は辛いですね!

まあ、いい選択だと思いますよ。


夕方のイケメンさんより、

安心感ある。


だけど、私的には蓮沼さんだな。

年上だし、安定的に見えるけど?


いい感じだったじゃないですか?

この間も誘われてたみたいなのに、断ってましたね?

なんでダメなんですか?」


「なんでって…」


さすがに理由は言えない。


あれから、何度も連絡くるけど、

断っているのを、聞かれてしまっている。


私だって普通の趣味なら彼はいい人だけど、私に求められてるものが……ね。






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