佐藤さんは甘くないっ!
「おおおおっ…!」
「すみません、食べられそうですか?」
「もちろん!大好き!」
「っ、……そ、それは良かったです」
目の前にはできたてオムライス。
たまごは半熟とろっと、だけど亀裂もなく綺麗に巻かれている。
すごい!どう考えてもわたしより上手い!
三神くんにケチャップを差し出すと、不思議そうな顔をされた。
「なにか描いて、三神くん!」
「えっ……僕がですか」
オムライスの上に描くケチャップアートを催促するとしぶしぶ描いてくれた。
なんだろうと思って見ていると……なにこれ?
二本のやり?つの?大福みたいな顔?
顔からなんか飛び出している。ホラーだ。
妖怪というか化け物、の方が正しい感じがした。
「猫ですよ」
……猫への冒涜も甚だしいけどせっかく描いてくれたので何も言わないでおいた。
手作りのコーンスープに、かぼちゃのサラダ。豪華すぎるお夕飯だ。
ダイニングテーブルに向かい合って座って、手を合わせた。
「いただきます!~~~美味しいっ!三神くんすごい!」
「…ありがとうございます」
褒められてちょっと恥ずかしそうにしている三神くんが可愛い。
お腹が空いていたわたしはぺろっと食べてしまった。
デザートにぶどうまで出してくれたので、またしても遠慮なく頂いてしまった。