佐藤さんは甘くないっ!
せめて洗い物だけでもさせて欲しいと懇願したけど却下されてしまった。
うろうろしていると睨まれるので仕方なくソファに腰を下ろす。
…なんだかこの感じ、デジャヴだ。
そして計ったようなタイミングで睡魔が襲ってくる。
うとうと。
時折、かくんと頭が落ちるような感覚がする。
自分が今寝ているのか起きているのかもよく解らない。
ふわふわ。
さとーさん、今なにしてるんだろーな。
わたしがいなくなって心配してるかなぁ。
最上さんと一緒だったらいやだなぁ。
ねえ、さとーさん。
あいたい。
あいたい。
あいたいよ、ばか。
「こんなところで寝たら風邪ひきますよ…全く」
呆れたような声がする。
身体がふわりと浮いた気がした。
瞳は閉じたまま、微睡む心地に身を委ねる。
暫くしてふかふかな場所にそっと下ろされた。
ソファよりふかふか。
ここはどこだろう。わかんないや。
なにも考えたくないな。眠っていたいな。
ずっとずっと夢の中にいたいな。
「……おやすみなさい」
額に柔らかいものが触れた気がした。
なんだろう。知ってる気がする。でもわかんない。
まぁいいや。
それじゃあ、おやすみなさい。
バタン、遠くで扉が閉まる音がした。