ただキミが欲しかった
早崎がさりげなくあたしを背中に隠してくれる。
「ちょっと…!なんで坂木と藍原さんがいるの!?」
「えー?優子どしたのー?」
「どしたのじゃない!何で二人がいるの!?」
事情を知らない他の友達たちは、いきなり怒り出した早崎こと優子に戸惑っている。
でも、早崎の気遣いは今のあたしにはとてもありがたかった。
真央……どうして浮気なんてしたの?
ねぇ、どうして?
早崎の背中で隠れて見えない真央に、あたしは心の中で必死に問いかけるだけだった。