ただキミが欲しかった
「……真央のこと、好きだったよ」
自分でも酷く冷たい声が出た。
「………え?」
「でも真央は違ったみたいだね?」
真央が戸惑っていても構わず続ける。
「真央、浮気するなんて最低」
真央を睨み上げて、一言そう呟いた。
すると真央の表情と藍原さんの表情が強張った。
「は、浮気?」
するとあたしと仲のいい友達たちも真央に疑いの目を向け始める。
「真央、あたしより藍原さんがよかったの?2人であたしを欺いてラブホに行ったりして楽しかった?」
「え、なにそれ」
「マジで?」
「浮気とか、坂木くんそれは無いでしょ」
「サイテー」
「………ち、ちが!」
「何が違うの?ね、藍原さん。真央に相手してもらえてどうだった?」
友達たちからヒシヒシと、鋭い視線が真央を藍原さんに降り注ぐ。
「………真央、もう別れよっか」