黄昏に香る音色 2
「できれば…以前の音を、手に入れられないですか?」

明日香の手を、和恵が握った。

もう退屈なのだろう。

「何とか探してみる」

携帯が切れた。

明日香は、すぐに和恵に微笑むと、手をつないで歩きだした。

「ママ…早く、お姉ちゃんこといこうよ」

「そうね。早くお姉ちゃんとこへ、帰りましょう」

「うん!」

元気よく頷く和恵を見て、明日香は、手をしっかりと握り、決して離さないと、
改めて、心に誓った。


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