黄昏に香る音色 2
放課後、

珍しく部活がない恵美と祥子と、一緒にに帰る香里奈。

「部活がないと、暇だなあ~」

恵美が、大きな欠伸をした。

「どこか寄っていこうか」

祥子が提案した。

「賛成!」

香里奈と恵美が、声を合わせた。

「じゃあ、久々に寄り道として、ライムライトに行きますか」

ライムライトはクレープ屋だ。

「賛成!!」

と、また二人が声を合わせた時。

「速水さん!」

後ろの方から、声がした。

香里奈たちは、顔を見合わせ、ゆっくりと振り返った。

こちらに向かって、手を振りながら、満面の笑みを浮かべた直樹が、走ってくる。

香里奈は、ため息をついた。

香里奈たちにたどり着いた直樹は、全力で走った為、肩で息をしている。

「よかった…間に合った」

「あんた、部活はどうしたの?」

恵美が直樹にきいた。

「今日は休みです。公演が近くって、最近みんなずっと遅くまで、練習していたから…今日は休めと、部長が言いましたので」

「じゃあ、里緒菜はどうしたんだ?」

恵美の後を、祥子が続ける。

「そうよ。今日も部活だと言っていたわ」

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