黄昏に香る音色 2
大輔たちは、LikeLoveYouを続ける為、

志乃をボーカルに迎えた。

いや、志乃が呼んだのかもしれない。

志乃は、啓介を憎んでいた。

姉を殺した相手として…。

憎しみの感情は、どこか大輔とシンクロした。

大輔は、自分から離れた明日香を見返すかのように、

曲を書いた。


もともとLikeLoveYouは、オジナルやカバーとかに、

こだわりがないバンドだったが、

志乃の入り、ロックやポップス、R&Bを基本としたバンドに変わった。

当初、天城志乃& LikeLoveYouにしょうかとしたが、

バンド名は捨てた。

LikeLoveYouの名前に、すがりたくなかった。

志乃だけを、全面にだした。


高校生になった志乃は、才能を爆発させる。

作詞に、ダンス…圧倒的なパフォーマンス。

大輔も曲を書きまくった。


そして、志乃たちはヒットメイカーとなり、


毎週ヒットチャートを賑わし、

チャートとにらみ合っていた。


大輔の作曲能力もかわれ、数多くの歌手に曲を提供した。


日本という狭い国で、忙しく動き回り、天才とチヤホヤされて。


それはLikeLoveYouとはまったく違った。


世界中を旅して、ヒットチャートなんて関係ない。


音楽だけの旅。
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