黄昏に香る音色 2
「そういうのが、無くなったら…俺はどうなるんだろうか…」

和也は振り返り、

香里奈と楽しそうに話す直樹を、見た。

「あいつは強いよ…。俺は、あいつに支えられている。もし、あいつはいなかったら…」

「あたしも、香里奈たちに支えられてるわ」

「もし、俺が…時祭の一員じゃなかったら…」

和也の言葉に、里緒菜は肩をすくめた。

「友達だから、みんないっしょにいるのよ」

里緒菜は、体を和也に向けた。

「もし、藤木くんが、何ももってなくても…友達は友達よ」

里緒菜は、香里奈を見、

「あの子たちは、そんなこと関係なく、友達でいてくれる」

「もし、俺がすべてを失っても…?」

「少なくても、ナオくんはそうでしょ?」

和也は、直樹を見た。

「そうだな…」

何があっても、直樹は友達でいてくれる。




「何かあったの?」

里緒菜が心配そうに、和也の顔を覗き込んだ。

「何でもないよ…でも」

和也は、里緒菜に微笑み、

「ありがとう」

和也は、みんなの方に戻る。

「何…里緒菜と話し込んでたんですかあ?」

祥子がちゃかす。

「大した話じゃないよ…俺よりさ!直樹!あまりいちゃつくなよ」

和也は焦りながら、誤魔化すように、大きく笑った。
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