黄昏に香る音色 2
振り返る香里奈。
里緒菜は、香里奈をじっと見つめ、
「あんた…歌…やるの?」
香里奈は足を止め、
「あたし…」
口ごもる。
「志乃さんの代わりとかじゃなくて…自分が、音楽をやる気になったの?」
「あたし…」
香里奈は、視線を落とした。
音楽をやる…。
考えてなかった。
でも…。
歌って…。
志乃の言葉。
腕を見ると、思い出す。
血を吐きながら、香里奈をつかんだ…
志乃の力を。
香里奈は、里緒菜の目を真っ直ぐ見返した。
素直になろう。
自分の心に。
香里奈は頷いた。
「音楽やるわ」
香里奈の言葉は力強い。
拳を握りしめ、
「楽器とかできないけど…歌はできる。歌える…歌いたい!」
香里奈は叫んだ。
里緒菜は腕を組み、微笑んだ。
「香里奈の歌。楽しみにしてる」
「期待しといて」
香里奈は前を向き、歩きだした。
「送るよ」
直樹が後を追う。
香里奈は思った。
歌いたい。
志乃の言葉で、香里奈は解放された。
それは、香里奈の目覚めの瞬間だった。
里緒菜は、香里奈をじっと見つめ、
「あんた…歌…やるの?」
香里奈は足を止め、
「あたし…」
口ごもる。
「志乃さんの代わりとかじゃなくて…自分が、音楽をやる気になったの?」
「あたし…」
香里奈は、視線を落とした。
音楽をやる…。
考えてなかった。
でも…。
歌って…。
志乃の言葉。
腕を見ると、思い出す。
血を吐きながら、香里奈をつかんだ…
志乃の力を。
香里奈は、里緒菜の目を真っ直ぐ見返した。
素直になろう。
自分の心に。
香里奈は頷いた。
「音楽やるわ」
香里奈の言葉は力強い。
拳を握りしめ、
「楽器とかできないけど…歌はできる。歌える…歌いたい!」
香里奈は叫んだ。
里緒菜は腕を組み、微笑んだ。
「香里奈の歌。楽しみにしてる」
「期待しといて」
香里奈は前を向き、歩きだした。
「送るよ」
直樹が後を追う。
香里奈は思った。
歌いたい。
志乃の言葉で、香里奈は解放された。
それは、香里奈の目覚めの瞬間だった。