黄昏に香る音色 2
流れる恵子の歌声が、香里奈に絡み付く。
直樹の声が、香里奈に勇気をくれる。
ただ話すだけでも。
「なぜ、こんなことをしてるのか…お父さんに、きかなくちゃならない」
しばらく、じっときいていた直樹は、
ゆっくりと口を開いた。
「そうだね。そうしなくちゃいけないね」
直樹は、言葉を一つ一つ考えながら、
「俺は…両親と話した記憶があまり、ないんだ…だから」
恵子の歌うマイフーリッシュハートが、切なく部屋を包む。
「わからないことがあったら、直接きいたらいい。生きてるんだったら、家族だったら、親子だったら、直接ぶつかった方がいい」
「うん」
香里奈は頷いた。
「ナオくん。今度のコンサートに呼ばれてるの」
「いつ?」
「明日の夕方」
「俺もいくよ」
「ダメ。一人で行きたいの」
香里奈の決意に、
直樹は受話器越しに頷き、
「わかった。でも、会場までついていく」
直樹の口調が、強くなる。
「速水さんを守りたい」
香里奈は、直樹の言葉が、
「ありがとう」
うれしかった。
明日、香里奈は父に会う。
もう気持ちは決まった。
直樹の声が、香里奈に勇気をくれる。
ただ話すだけでも。
「なぜ、こんなことをしてるのか…お父さんに、きかなくちゃならない」
しばらく、じっときいていた直樹は、
ゆっくりと口を開いた。
「そうだね。そうしなくちゃいけないね」
直樹は、言葉を一つ一つ考えながら、
「俺は…両親と話した記憶があまり、ないんだ…だから」
恵子の歌うマイフーリッシュハートが、切なく部屋を包む。
「わからないことがあったら、直接きいたらいい。生きてるんだったら、家族だったら、親子だったら、直接ぶつかった方がいい」
「うん」
香里奈は頷いた。
「ナオくん。今度のコンサートに呼ばれてるの」
「いつ?」
「明日の夕方」
「俺もいくよ」
「ダメ。一人で行きたいの」
香里奈の決意に、
直樹は受話器越しに頷き、
「わかった。でも、会場までついていく」
直樹の口調が、強くなる。
「速水さんを守りたい」
香里奈は、直樹の言葉が、
「ありがとう」
うれしかった。
明日、香里奈は父に会う。
もう気持ちは決まった。