黄昏に香る音色 2
「香里奈は…パパが嫌い?」

香里奈は、少し戸惑ったが、

真剣な表情になり、

「正直、許せない…ところはあるけど…」

明日香は、やさしく見守っている。

「嫌いじゃない…」

そう言ってから、香里奈は頭をかき、

「実際よくわからない」

「それでいいのよ」

明日香は、キッチンに戻り、お茶を入れる。

「あなたは十分に、頑張ったわ」

お茶を香里奈に、手渡し、

「後は…ママに任せて。ちゃんとやめさせるわ…あんなこと…」

「うん」

香里奈は頷く。

「あっ!お風呂、沸かすんだった!すっかり忘れてたわ」

バスルームに、消える明日香の後ろ姿を見ながら、

香里奈は、お茶を一口すすった。

「あちっ!」

お茶は、予想以上に熱かった。

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