黄昏に香る音色 2
「ここでは何ですから…」

和也が、近くの茶店に促そうとした。

「少し、待っててくれる?」

明日香は和恵を、ダブルケイに先に返した。

和也は、その場で待つことにした。




「あたしに話って…」

明日香は、コーヒーを一口すすった。

和也は、明日香の前に座り、

「あなたが…今度開催される中路山ロックフェスティバルに参加したいと、おききしたものですから」

「誰からきいたのかしら?」

和也は、明日香から、目の前のコーヒーを見つめ、

また視線を、明日香に戻した。

「おじさんからです…」

「父から?」

和也は、コーヒーを手に取り、

「今回のフェスティバルは、時祭グループも参加しています。いろんな情報が、入ってきます」

一口コーヒーをすすり、

「もう参加メンバーは、決まってますが…何とか参加できないかと、いろんなところに、働きかけていらっしゃると」

和也は、明日香を見、


「なぜ…お父上に、直接頼まないのですか?」


明日香は苦笑した。

「あたしは、あの人ともう関係ないから」

明日香は、カップを置くと、

「あなたが、香里奈と同級生なのは、驚いたわ。これからも、香里奈をよろしくね」

明日香は、和也に微笑んだ。

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