黄昏に香る音色 2
「だけど…」

明日香は伝票を取り、

「今回の件は、父やあなたには、関係ないのないことよ」

席を立とうとする明日香。

「待って下さい!」

和也は叫んだ。

「俺は!香里奈さんを監視する為に、無理やり、香里奈さんと同じ高校に、通わされました」

明日香の動きが止まった。

「そんな俺を支える為に…親友の直樹は、同じ学校に通ってくれています。祖父と離れ、バイトしながら、生活費や家賃を払って!」

「飯田くん?」

「俺は、そんな直樹に何も、返してやれません」

和也は、明日香を見つめ、

「だから…直樹の彼女である香里奈さんの為に…親戚である、あなた方の為にも」

和也は叫ぶ。

「何か、してあげたいんです!」

明日香は、再び席に戻った。

「ありがとうございます」

和也は頭を下げると、

「フェスティバルの参加予定アーティストの一組が、この前の騒動を恐れ、キャンセルしてきました」

和也は、フェスティバルの予定表を取り出し、

「その為、プログラムが一部変わります」

フェスティバルは、ステージが2つあった。

「B会場の、5時からスタートのアーティストが抜けることになります。この同時刻…A会場で、ライブをスタートするのが…KKです」

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