黄昏に香る音色 2
「…で、コクられたと…」

昨日の手紙を、団扇のようにあおぎながら、里緒菜は、机に頬杖していた。

香里奈はチラッと、廊下寄りの、真ん中の席を見た。

男の子と目が合い、微笑みかけられる。

香里奈は、ため息がでた…。

里緒菜は、2人の様子を見て、

呆れた。

「コクられたことより…あんたが、知らないことが、びっくりよ」

里緒菜は手紙を、香里奈に返した。

「飯田直樹…成績優秀、スポーツも抜群!加えて、イケメンで、やさしいときたら…どんなに人気があるか…。それなのに…」

里緒菜も、ため息をついた。

「知らないだなんて…まして、同じクラスなのに」

香里奈は、口を尖らせる。

「だって…興味ないし…」

里緒菜は、頭を抱えた。

「色気がないと、思ってたけど…ここまでとは…」

バカにされてるみたいで、香里奈は、くってかかる。

「何よ!あんたは、知ってたの!」

「あのねえ~同じクラスなのよ!それに!」

「それに?」

香里奈は、聞き返した。

「同じ演劇部よ…」

里緒菜の言葉に、香里奈は驚いた。

「うそお!」

里緒菜は、少し機嫌が悪くなっていた。

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