黄昏に香る音色 2
「KK…」

ティアは、啓介の横に座ると、そっと、

啓介の手の甲に、手を重ねた。

「心配するな…」

啓介は、ティアの顔を覗き込み、微笑んだ…。

「俺はもう…」

グラスの中の氷を揺らし…一口飲む。

「戻れない…」

「KK…」

ティアは、少し不安そうな表情を浮かべる。

啓介の微笑み、

手の暖かさが…

先日までの男とは、違っていた。

女の勘が、告げていた。

この男は、いずれ離れていくと…。

しかし、

それは、許せないことだった。

KKなしでは、ティアの望みはかなわない。


ティアは、啓介の頬に触れた。

香里奈に殴られたところ。

その痛みが、KKを変えていく。

「KK…」

ティアは、その場所に口づけをして、

そのまま…啓介の胸に両手を添えると、

ゆっくりと、ベットへと啓介と倒れていった。

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