黄昏に香る音色 2
「ナオくんが…。あんたみたいなのが…タイプだなんて…」

里緒菜はまじまじと、香里奈を、上から下まで見た。

「なによ~」

妙に照れる香里奈…。

「まあ…かわいちゃ…かわいいわね」

里緒菜は少し、納得した。

「あんたのお母さん…綺麗だもんね…」

「そうか~」

実感のない答え…。

「最近CMに、出てるじゃない!あれなんて…歌も上手いし、綺麗だし…」

「CM?」

香里奈は、首を傾げた。

「知らないの!」

頷く香里奈。

里緒菜は呆れながら、

「あんたの親でしょ…。テレビ見てる?」

「見てるけど…見てない」

香里奈の言葉に、里緒菜は、顔を覗き込んだ。

「香里奈…大丈夫?」

心配そうな里緒菜の表情に、

香里奈は思いっきり、手を振った。

「大丈夫だよ」
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