黄昏に香る音色 2
憧れ
大きく息を吐くと、
明日香は、ワウ・ワウ・ペダルをつけたトランペットを構えた。
こんな場所が、あったのか。
狭い日本に。
何十万人という人々の熱気と、興奮が、
チリチリと、明日香の肌を刺激した。
遠く見えるAステージでは、
啓介たちが、スタンバイしている様子が、わかった。
「いきましょう」
後ろに、控えるトップミュージシャンの方を、チラッと見ると、
明日香は、ステージに向かって、一歩…足を踏み出した。
これ以上はない晴天の空に、
ひんやりした空気が、気持ちよかった。
緊張はない。
明日香は、トランペットを銃の如く、
前に突き出した。
「啓介…」
明日香は呟くと、目をつぶり、
トランペットのマウスに、口づけた。
それは……向こうのステージで、啓介がサックスをくわえたのと、ほぼ同時だった。
明日香は、ワウ・ワウ・ペダルをつけたトランペットを構えた。
こんな場所が、あったのか。
狭い日本に。
何十万人という人々の熱気と、興奮が、
チリチリと、明日香の肌を刺激した。
遠く見えるAステージでは、
啓介たちが、スタンバイしている様子が、わかった。
「いきましょう」
後ろに、控えるトップミュージシャンの方を、チラッと見ると、
明日香は、ステージに向かって、一歩…足を踏み出した。
これ以上はない晴天の空に、
ひんやりした空気が、気持ちよかった。
緊張はない。
明日香は、トランペットを銃の如く、
前に突き出した。
「啓介…」
明日香は呟くと、目をつぶり、
トランペットのマウスに、口づけた。
それは……向こうのステージで、啓介がサックスをくわえたのと、ほぼ同時だった。