黄昏に香る音色 2
会場は一体になり、
大歓声がわく中、
香里奈の喉の調子が、おかしくなってきた。
もう七曲目だ。
久々に使う喉。
大観衆のため、声を張り上げていた。
咳払いしても、なおらない。
そんな香里奈の肩にそっと、
明日香は、手を置いた。
振り返った香里奈に、明日香は微笑み、
トランペットを下げると、
スタッフが、ステージにマイクスタンドを持ってくる。
明日香は、マイクに向かって、静かに…言葉を語り出す。
透き通った歌声、
真っ直ぐな歌声。
香里奈は横で、歌う母親の姿を見つめ、
ただ聴き惚れていた。
間奏になると、
明日香は、トランペットを吹く。
淡く、
力強く。
繊細な歌声と、力強いトランペットの音色。
その対比が、
明日香というミュージシャンの持ち味だった。
格好いい。
香里奈は心の中で、明日香に叫んでいた。
そして、
心がうずいてくる。
香里奈は、マイクを握りしめ、
トランペットを外し、また歌い出す明日香に合わせて、
香里奈も歌い出す。
二人の声が絡み合い、
夕焼けの空を、駆け抜けていった。
大歓声がわく中、
香里奈の喉の調子が、おかしくなってきた。
もう七曲目だ。
久々に使う喉。
大観衆のため、声を張り上げていた。
咳払いしても、なおらない。
そんな香里奈の肩にそっと、
明日香は、手を置いた。
振り返った香里奈に、明日香は微笑み、
トランペットを下げると、
スタッフが、ステージにマイクスタンドを持ってくる。
明日香は、マイクに向かって、静かに…言葉を語り出す。
透き通った歌声、
真っ直ぐな歌声。
香里奈は横で、歌う母親の姿を見つめ、
ただ聴き惚れていた。
間奏になると、
明日香は、トランペットを吹く。
淡く、
力強く。
繊細な歌声と、力強いトランペットの音色。
その対比が、
明日香というミュージシャンの持ち味だった。
格好いい。
香里奈は心の中で、明日香に叫んでいた。
そして、
心がうずいてくる。
香里奈は、マイクを握りしめ、
トランペットを外し、また歌い出す明日香に合わせて、
香里奈も歌い出す。
二人の声が絡み合い、
夕焼けの空を、駆け抜けていった。