黄昏に香る音色 2
大学を卒業し、ブラブラしていた時期。

地元に帰ってきた淳は一度…バイクに乗って、信号待ちしているとき、女の子供を連れている男を発見した。

それは、間違いなく…あいつだった。

俺をいじめていたやつ。

野球部か何かで、怪我をして、レギュラーから外されたか何かで、
ムシャクシャしてたから…それだけの理由で、俺をいじめた。

周りは、いじめてるあいつに同情してた。

馬鹿じゃないのか…。

だったら、俺は何だ。

仕方ないのか。


信号が変わるまで、淳は考えていた。

(ひいてやろうか)

あいつの娘を…。

ハンドルを握りながら、淳は2人を睨み続けた。

しかし、淳はやめた。

もっと、いいことを考え付いたのだ。

教師になろうと。

この地元で。

淳はにやりと笑った。
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