黄昏に香る音色 2
(何なの!)
心の中で叫びながら、里緒菜は無言で、真正面のフェンスにもたれる優を、軽く睨んだ。
別に、
昼休みの屋上…。
誰が来てもいいんだけど。
和也や直樹、
そして、
イエローホール事件で有名になった香里奈。
この3人がいる屋上には、みんな、遠慮や恥ずかしさで、堂々と入ってくる者はいなかった。
妙な空気を感じ、直樹が、里緒菜の近くに来た。
「どうしたの?」
香里奈と恵美、祥子は、今朝から続く…お笑い談義に、花を咲かしている。
「別に、何でもないわ」
里緒菜の口調に、直樹は、彼女の視線の先をたどった。
正面の女の子…。
女の子は本を読んで…
いなかった。
本から、瞳だけを覗かせて、真っ直ぐに、里緒菜を、
いや、
直樹を見ていた。
直樹は少し驚き、女の子と視線を合わせた。
この視線は…。
直樹には、思い出せなかった。
女の子は、本を下げた。
顔のすべてが、露わになる。
「!?」
満面の微笑み。
それが、直樹に向けられていた。
心の中で叫びながら、里緒菜は無言で、真正面のフェンスにもたれる優を、軽く睨んだ。
別に、
昼休みの屋上…。
誰が来てもいいんだけど。
和也や直樹、
そして、
イエローホール事件で有名になった香里奈。
この3人がいる屋上には、みんな、遠慮や恥ずかしさで、堂々と入ってくる者はいなかった。
妙な空気を感じ、直樹が、里緒菜の近くに来た。
「どうしたの?」
香里奈と恵美、祥子は、今朝から続く…お笑い談義に、花を咲かしている。
「別に、何でもないわ」
里緒菜の口調に、直樹は、彼女の視線の先をたどった。
正面の女の子…。
女の子は本を読んで…
いなかった。
本から、瞳だけを覗かせて、真っ直ぐに、里緒菜を、
いや、
直樹を見ていた。
直樹は少し驚き、女の子と視線を合わせた。
この視線は…。
直樹には、思い出せなかった。
女の子は、本を下げた。
顔のすべてが、露わになる。
「!?」
満面の微笑み。
それが、直樹に向けられていた。