黄昏に香る音色 2
「ごめん、ごめん」

ゆうは、照れたように謝った。

ホームルームの終わりを告げる鐘が、鳴る。

「あちゃ…もう終わりか…ごめん!終礼は、ちゃんとやるから」

すまなそうに出ていくゆうの姿に、生徒から笑いが出た。

「あんなんで~いいわけ?」

香里奈は、後ろの席にいる里緒菜にきいた。

「まあ、牧村先生らしいんじゃあないの」

次の授業の準備を、手際よくしながら、里緒菜はこたえた。

「やれやれ…」

ため息混じりの香里奈。

また音をたてて、ドアが開き、次の授業の先生が、入ってきた。

「起立!」

いつもの決め事だ。
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