黄昏に香る音色 2
barのバイトを終え、
2階へと帰った直樹。

和也はまだ、帰ってなかった。

1階の小料理屋は、結構忙しくなってきており、

和也の母、律子だけでは、金曜、土曜の満席になった店を、まわせなくなっていた。

和也や直樹も、手伝っていたけど、常に手伝えるわけでなかった為、

週末だけ、アルバイトを雇っていた。


律子の声と、店の活気は、直樹の心を落ち着かせていた。

たまに、1人でいることが、無償にこわくなることがあった。

無理やり1人になって、強くなったはずが…たまらなく、孤独を感じるときがある。

両親が死んで、

1人になったときの恐怖。

1人では何もできない現実の…恐ろしさ。

その記憶が、直樹を蝕んでいった。


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