黄昏に香る音色 2
何度かの退屈な授業を、終えて…やっと昼休みだ。

「疲れたぜ」

大きく背伸びして、一番最初に立ち上がったのは、

岸本恵美。

身長175㎝と背が高く、モデルのようでありながら、柔道部という…熱い格闘家である。

「今日は外で、食べようよ」
眼鏡をかけ、小柄で目がクリッとしてかわいい…中山祥子が、香里奈の方に走り寄ってくる。

動きが小動物だ…。

香里奈は、外を見た。

気持ちよいくらいの、快晴だ。

「外いこう!」


「オウ!」

と香里奈、恵美、祥子が声を上げる中…。

一人、授業の片付けをしていた里緒菜。

「あたしはいい…。今日はお昼、部室にいかなきゃいけないから」

さっさと、教室を出ていく里緒菜。

その姿を見送る3人。

「機嫌悪いのか?」

こういうことに敏感な恵美は、香里奈にきいた。

香里奈は首を傾げる。

「演劇部、忙しいのよ!多分」

祥子は、2人の間に入った。

「と、とにかく!外行こうよ」

「ああ…」



そんな3人に、近づく者がいた。

「香里奈さん!いっしょに、ご飯にしましょう」

満面の笑みを、浮かべた直樹だ。
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