黄昏に香る音色 2
どうして…あなたは生きている
「失礼します」
久々に、扉を開き、中に入った
和也の目に、
会長室の中で、窓際に佇む…時祭光太郎の姿が飛び込んできた。
「仕事をくれてやる」
光太郎は、和也を見ずに、言い放った。
「ディスクの上に書類がある」
和也は、軽く肩をすくめると、ディスクに近づいていく。
書類を手にとり、
「ありがとうございます…助かります」
「お前とは、縁を切ったが…」
光太郎は、窓の外を見つめながら、
「才能のある者を、つぶすことはせん」
「才能ですか…俺にあるのか…」
和也は、書類を確認すると、
「有り難く、お受けします」
光太郎の背中に、頭を下げると、
「では…失礼しました」
出ていこうとする和也に、振り返らずに、光太郎は声をかけた。
「お前の学校に…高木優って、女はいるか?」
和也は、扉のノブに手をかけながら、
「いえ…知りませんが…」
「そうか…」
和也は、扉を閉め、
「知り合いですか?」
「取引先のお孫さんだ…」
「お孫さん?」
「大路に通っているらしい」
光太郎は窓ガラスに、微かにうつる和也を見ていた。
久々に、扉を開き、中に入った
和也の目に、
会長室の中で、窓際に佇む…時祭光太郎の姿が飛び込んできた。
「仕事をくれてやる」
光太郎は、和也を見ずに、言い放った。
「ディスクの上に書類がある」
和也は、軽く肩をすくめると、ディスクに近づいていく。
書類を手にとり、
「ありがとうございます…助かります」
「お前とは、縁を切ったが…」
光太郎は、窓の外を見つめながら、
「才能のある者を、つぶすことはせん」
「才能ですか…俺にあるのか…」
和也は、書類を確認すると、
「有り難く、お受けします」
光太郎の背中に、頭を下げると、
「では…失礼しました」
出ていこうとする和也に、振り返らずに、光太郎は声をかけた。
「お前の学校に…高木優って、女はいるか?」
和也は、扉のノブに手をかけながら、
「いえ…知りませんが…」
「そうか…」
和也は、扉を閉め、
「知り合いですか?」
「取引先のお孫さんだ…」
「お孫さん?」
「大路に通っているらしい」
光太郎は窓ガラスに、微かにうつる和也を見ていた。