黄昏に香る音色 2
「え?香里奈ちゃんが」

新曲のレコーディングの為に、スタジオ入りした志乃に、香里奈の学校の事件は、すぐに伝えられた。

志乃は、香里奈の幼なじみであった。

「先生が、犯人らしい…」

歌詞をチェックしながら、大輔が言った。

「何でも、神の啓示を受けたとか…」

「神の啓示?」

志乃は考え込んだ。嫌な感じがする。

「まあ…変なやつはいるからな…」

大輔は、あまり気にせずに、次の指示をスタッフに出す。

「特に…彼女は、有名だ。明日香さんの娘で…、デビュー前だが、業界では密かに、争奪戦が繰り広げられてるしな」
「え?香里奈ちゃんが」

新曲のレコーディングの為、スタジオ入りした志乃に、香里奈の学校の事件は、すぐに伝えられた。

「先生が、犯人らしい…」

歌詞をチェックしながら、大輔が言った。

「何でも、神の啓示を受けたとか…」

「神の啓示?」

志乃は考え込んだ。嫌な感じがする。

「まあ…変なやつはいるからな…」

大輔は、あまり気にせずに、次の指示をスタッフに出す。

「ねえ…。今、話題になってる…パーフェクト・ボイス…知ってる?」

志乃は考え込みながら、大輔にきいた。

「そりゃあ…俺も、音楽にかかわっているからな」

大輔は、歌詞を書いてある紙を、テーブルに置いた。

「気になるのよ…香里奈の学校で起こったことと…彼女の歌が…」

「どうしてだよ?」

「気づかない?すべてじゃないけど…ある箇所が…とても…」

志乃は考え込んだ後、苦笑し、

「フン」

鼻で笑った。

「だけど…潰すなら、正々堂々と、実力で勝負するものよ」

香里奈の実力は、幼なじみの志乃が一番わかっていた。

志乃の言葉に、今度は大輔が笑った。

「毎年…何万人もデビューする癖に、この業界は狭いからな…。売れ残るやつは、数人だしな」

「そうね…」

志乃は歌詞の書いた紙を、大輔に突き付けると、

スタジオの中に入る。

「歌詞覚えたから…歌うわ」

志乃も、ぐずぐずしている暇はなかった。


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