黄昏に香る音色 2
「…で、何があった?」

直樹たちが、去ったのを確認して、恵美は、香里奈に詰め寄った。

「何があったんだ」

強い口調の恵美。

祥子も、香里奈に顔を近づけ、

「香里奈ちゃん!」

2人の迫力に圧倒され…
香里奈は口を開いた。

「好きだって…言われただけ…」

しばらくの間…。



「えええええ!!」

2人の絶叫。

「どっちよ!飯田くん、それとも藤木くん!」

祥子は、香里奈の肩を掴んで、揺らしながら、悔しそうにきいた。

「い、飯田くんだけ…モデルとちがう方…」

香里奈の言葉に、2人は呆れた。

「あんた、飯田くん…知らなかったの!?」

香里奈は頭をかき、

「あんまり…男の子の名前覚えないから…」

「信じられなあい!あの飯田くんよ!綺麗で、やさしいくって、格好いい…。藤木くんとのツーショットなんて、芸術よ!」

妙に興奮している祥子。

「それなのに~飯田くんを知らなあ~い!それどころか~告白されただとおお!」

いつもと様子が、ちがう祥子に、恵美もひいた。

「そんな事実が広まったら!クラスの…いや、学年の、学校中の女子を、敵にまわしたことになる!」
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