黄昏に香る音色 2
時は早い…。

幸せは、すぐに終わる。


「ティア!ジュリア!」

凄まじい爆音と、

破裂音と、

泣き声と悲鳴…。

人々が死んでいく。

圧倒的な戦力だった…。

「ティア!」

崩れ落ちる瓦礫の中で、

ティアは倒れていた。

服は、脱がされ…

下半身から、

血が流れていた。

「あ…赤ちゃんが…」

ティアは、血まみれになりながら、

マルコにすがりついた。

「ティア…」

マルコは、ティアを抱きしめた。



「マルコ…ジュリアが…」

ティアは、力ない手で…向こうの部屋を指差した。

爆音の中、

すすり泣く声と、

男たちの荒い息使いが、聞こえてきた。

マルコは、ティアをそっと横たえると、

隣の部屋に向かった。

銃を構え、ゆっくりと近寄る。

部屋を開けた…

マルコが見たものは…

「うわああ…てめえらあっ!」

マルコは、群がる男たちに、銃を構えた。

凄まじい銃声が上がった。

バタンと崩れ落ちた。

「お前ら…やるときは、周りに気をつけろ」

銃を構えた軍服を着た男が、言った。

銃口から、煙が出ている。

「ま、マルコ!」


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