黄昏に香る音色 2
放課後になる。

誰よりも早く来て、

誰よりも遅く帰る。

如月里緒菜とは、そういう女だった。

台本を細かく、チェックしていく。

すると、ドアが開いた。

直樹だ。

「早いね」

大体、一番か二番は、2人のどちらかだった。

「台本、合わせない?」

里緒菜の言葉に、少し驚いたが、直樹は頷く。

2人だけの台詞合わせ。


「例え…あなたが、何であろうと…」

直樹のセリフが続く。

「ぼくの気持ちは、変わらない…例え、あなたがどんな身分でも…ぼくはあなたを」




「愛してる」

里緒菜は台本を閉じた。

「どうしたの?」

直樹は、里緒菜を見た。

しばらくの間。

やがて…。

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