黄昏に香る音色 2
「お姉様…」

2人っきりで食事をする

ティアとジュリア…。

「何?」

ホテルの一室。

有名になる程、

自由がなくなっていくジュリア。


「あたしは…このままでいいのかしら…」

ジュリアの言葉に、

ティアは、ナイフとフォークを置き、

「何が言いたいの?」

ジュリアはさっきから…食事が、進んでなかった。

「あたしたちが、やろうとしていることは…」

「心配しなくていいわ…。あなたは、歌姫として…これからも、歌うだけでいいの。ジュリア・アートウッドとして」

ティアは席を立ち、

ジュリアのそばに行く。

「あたしは…あなたのマネージャー…ただの」

ティアは、ジュリアを後ろから抱きしめ、

「あなたと、あたしの関係を知る者はいない…。みんな…殺されたわ…」

「お姉様…」

「計画は…あたしが、やるから…」

ティアは強く、ジュリアを抱きしめ続けた。

ジュリアはただ…

ティアの温もりだけ…

この世に残った唯一の…

家族の温もりであった。


「さあ…ジュリア行きましょう。観客が、待っているわ」

ドアがノックされた。

「はい」

ティアは、ジュリアから離れると、服装を整え、

「今から、いきますので」

< 446 / 539 >

この作品をシェア

pagetop