黄昏に香る音色 2
直樹の方を見ないで、里緒菜は、口を動かした。

「わたし…きいてなかった…」

「何を…?」

里緒菜は、直樹の方に、顔を向けた。

「香里奈のこと…」




「ああ…如月さんは、香里奈さんの知り合いだったね…」

笑いながら、視線を外す直樹。


「香里奈みたいなのが、タイプなんだ…」

その言葉に、反応する直樹。

「ちがう…タイプじゃない」

< 45 / 539 >

この作品をシェア

pagetop