黄昏に香る音色 2
「ジュリア…。CDの売上は、伸び続けているわ。チャートの一位の記録を、どこまでのばすことかしら」

ティアは、楽しそうに笑った。

少し遅い昼食を、ティアとジュリアは一緒にとっていた。

「プレジデントとのうわさも…シンデレラ・ストーリーとして、話題になっているわ」

本当に、嬉しそうなティア。

「お姉様…」

ジュリアは、出されたスープを飲み干すと、

ティアを、真正面から見据えた。

「もうやめましょう…」

「何をやめると言うの」

ティアも、ジュリアを見た。

ジュリアは視線を外さずに、

「すべてをです」

「ジュリア…」

「エドワードを殺しても…何も変わらない」

「……」

「マルコが、好きだった歌のように…歌うことも、できてないわ…」

「ジュリア!」

ティアは、激しくテーブルを 叩いて、立ち上がった。

それでも、ジュリアは動じない。

「お姉様…もうやめましょう。あたしたちのやってることは…正しくないわ」

「ジュリア!あなた、何を言ってるの!」

「お姉様…もう自由になりましょう」

ジュリアは微笑んだ。

その口元から、

赤い血が流れた。

「ジュリア!」

ティアは驚き、ジュリアに走り寄った。

「あたしがいたら…お姉様は止まらない」

ジュリアの口から、

血が溢れた。

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