黄昏に香る音色 2
「早く強く、早く完璧にならなくちゃいけない。だけど、人間1人じゃー無理だ」

部室の扉が開いた。

「おはようございます」

里緒菜が入ってきた。

「里緒菜。ちょうどよかった!直樹が本…書いてきたぜ」

美奈子は、原稿用紙を里緒菜に差し出す。

「ナオくんが」

里緒菜は少し驚きながら、原稿を受け取った。

「良くできてると思うよ」

里緒菜は、原稿に目を走らせる。

「これで、やっとー!」

美奈子は、大きく背伸びをすると、

「久々に、演劇部始動だ」

「はい」

直樹と里緒菜が、返事をした。

美奈子は頷くと、

「今、帰宅部と化している部員に召集命令だ」

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