黄昏に香る音色 2
「うん?」

香里奈は、手を振るのを止めた。

ほんの少しだけ、和也は香里奈を見つめた。

少し緊張する香里奈。

和也は微笑み、

「直樹をよろしくな」

そう言うと、香里奈の返事を待つことなく、

和也は、廊下の奥に消えていった。

香里奈は、一人立ちすくみ、

和也へのこたえに、戸惑っていた。

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